いつもと変わらない朝の保育園での一コマ。
娘を送り終えた私は自転車に乗り、自宅へ向かう。
そして、スーツを部屋着に着替え、ソファに寝転がる。
悔しさ、悲しさ、寂しさ…
いろんな感情の中、何もできないままただただ時間が流れていった。
夫婦育休の取得
時は2018年にさかのぼる。
我が家は妻と娘の3人家族。
妻は片道1時間半かけて病院にてパート勤務。私は片道1時間の会社で正社員として働いていた。
2018年3月に娘が生まれてから、二人で育休を取得し、無事保育園も決まり2019年から共働きを再開することになるのだが、
実をいうとこの育休は夫婦同時に10ヵ月取っている。
前職でも激務で限界を超えそうなときに分かった第一子妊娠。
もちろんうつ病という認識で育休を取得したわけではないが、どこか
という気持ちがあったのは嘘ではない。
育児の大変さ
もちろん、育休=休暇ではないことは分かっていた。
特に0歳児は24時間目が離せず、深夜だろうがお構いなしに泣くし、3時間起きのミルクも必須。おまけに寝ないので自分たちも眠ることは許されない。
我が家は早々に母乳を諦め粉ミルクだったが、粉ミルクも3時間起きといっても、
ミルクの準備、ミルクを飲ませる準備、ミルクを飲ませる、寝かしつける
この工程を一通りこなすのに2時間~2時間半くらいを要するので3時間ごとに休憩できるわけではないことは体験してから知った。
終わったそばから、え!もう3時間の次のミルクの時間!!
というのはしょっちゅうだった。
そういう意味では二人で育休を取って本当に良かったと思う。
妻一人でやらせていたらそれこそ産後うつになったのではないか?
それを考えると一緒に育休を取得してよかったと思う。
もし旦那様でこれから子供が生まれるご家庭の方がこの闘病記を見ているなら是非育休取得を検討してほしい。
妻の負担はもちろん、0歳の自分の子供に24時間毎日接することができるのは何よりの魅力だ。
途中から一人でもこなせるようにもなってきたので交代でミルク担当や寝かしつけを担当するなど、自分たちの睡眠時間も確保できるようになったし、
いい経験にもなったし、ある意味この時期の娘を毎日見られるのが幸せで、激務で心身ボロボロに近かったのがウソのように癒された。
いつか同僚に妻だけ育休を取得した方がいて、その方も激務で深夜帰宅。
当然子供は寝ていて、朝も娘が起きる前に出勤。
そのため、しばらくパパと認識されずに、
子「休日だけいるおじさん」
というパパとして認識をされるのに時間がかかったという苦労話を聞いたことがある。
そうはなりたくないと思ったのも育休取得の一つの理由だった。
育休から復帰して
そして時は2019年4月。娘は1歳1か月のときだ。
妻は出勤時間が早いので、朝の娘のお世話と登園は私の担当だ。
朝7時。
朝起きた時点で妻はもういない。
娘がまだ寝てるならば先に自分の身支度を済ませて、娘を起こし、オムツを替える。
育休中にさんざん経験したのでこのくらいは一人でお手の物だ。
ただ、娘は大人しいときもあれば、泣きわめいて暴れるときもありオムツ一つ変えるのも一苦労だ。
その後、風邪を引いているときは朝食とともに薬も与え、(粉薬のときは玉にして口に無理やり入れるのでまた一苦労する…)
登園バックの準備も完了!
いざ、自転車に乗せ、(この頃は歩けないので靴も不要だったから抱っこで駐輪場へ)
娘を保育園に送り届けた後、自宅に戻って準備して、私も出勤する。
これが普段の流れである。
憧れの都内勤務
私の会社は都心のど真ん中に位置する。
広島で生まれ育った私にとって東京はあこがれの場所だった。
東京でサラリーマンをしていた叔父を見て、
と夢見ていた。
そして、現在、夢は叶っている。
現在の会社は2社目。
約10年務めた前職の経験を活かして、大手の企業へ転職したのは2019年。
業務内容はほぼ同じであるが、使っているシステムやルールは全く違うものなのでとまどいつつも日々勉強だ。
同僚「おはようございま~す。」
会社のデスクに座るとPCを立ち上げてメールのチェックをする。
今日もぎっしりメールが溜まっている。
前日の退勤後から翌朝までで100通を超えるのはいつものことだ。
自分宛のものではないものもあるので、ざっとメールを見分けて処理しながら、今日のタスクを確認する。
私は中途入社の新人ではあるが、入社後半年もすれば基本的に業務は一人で回すのがこの会社での文化だ。
周りもできる自分より優秀な人材ばかり。
前職でそれなりのポジションでそれなりの結果を残して自信満々で転職してきたものの、会社の雰囲気の違い、同僚たちのレベルの高さには驚かされた。
そう言い聞かせながら日々業務と格闘していた。
第2話へ続く