時は2020年7月。
緊急事態宣言は解除されたものの、コロナウイルスは相変わらず流行っており、これまでの生活様式は大きく変わっていた。
世間では甲子園が中止になったり、スポーツが無観客で試合をせざるおえなくなっていたり。
保育園も登園時には必ず手洗いの徹底、シーツ変えは教室を通ってではなく、園庭から回って極力園児と触れ合わずに行けるように感染対策の徹底がされていた。
テレワークも継続
仕事もこれまでとは同じにはならず、テレワークも引き続き継続となっていた。
テレワーク継続は、前の話でも書いたとおり、家庭面にとってはプラスが多かったので大歓迎!
しかし…
この頃私の業務はどうしても紙資料でないとできない仕事が大量に舞い込んでおり、その業務の担当者のみテレワークなしという扱いとなっていた。
もちろん私も含めて。
他の同僚が引き続きテレワークを継続するなか、
当たり前のように毎日週5で会社に出勤し、
当たり前のように遅い時間まで残業し、
当たり前のようにコロナに気を付けながら、23時くらいに帰宅する。
我が家はそんな生活に逆戻りしていた。
コロナは続くのに生活は以前に逆戻り
当然、娘は寝ているし、妻もワンオペ状態だ。
妻も医療従者者でコロナの部署ではないものの、人手不足に陥り、仕事を申し訳なさそうに切りの悪いところで切り上げてのお迎え、
夕食の準備に、娘の食事の介助、お風呂も私がいないので娘の着替えも妻、
歯磨きと寝かしつけも妻だ。
それが一通り終わった段階で私が帰ってくる。
この頃は私はもちろん、妻もストレスMAXだった。
家庭内にも不穏な空気が流れ始めていた。
業務はいつ落ち着くのか
思えば3月から風向きが変わり、7月になっても一向に業務は減る気配がない。
というか業務量もさることながらわからないことが多すぎるのだ。
分からない部分は自分で調べて見よう見まねで対応しないといけない。
ただ、そのせいで誤って理解していることも出てくる。
ミスをするのはたいていそのせいだった。
ただ、前職で似た仕事を経験しているので自分でやってくれ、というのが今の会社のスタイル。
基礎が頭に入ればもう少し違うのかもしれない。
今の状態は例えるなら新作のゲームを分厚い辞書なみの10冊くらいの説明書を自分で見ながら自分なりになんとかこなしている状態。
できれば基本の操作方法やシステムの仕組みを教えてほしい。
しかし、
先輩「いや、それは新卒なら一から手取り足取り教えるけど、あなたは中途入社で似た仕事を10年以上こなしてこの業界にいる人なのだからこのくらいは自分でできてくれないと困りますよ。」
先輩「とはいえわからないところは遠慮なく聞いてくださいね。」
とまあこんな感じで基礎教育をお願いしても断られた以上仕方がない部分である。
まあ、教育は教える側も時間が拘束されるので、嫌がられるのは当然だが、普通断ります?
基礎が頭に入ればもう少し理解も進むし、ミスも減ると思ったんだけどな。
やってることが同じといっても使っているシステムが違う。
そうすれば先輩の指摘も減ってWin-Winな気がするのに。。。
世代で伝わるかわからないが、スーパーファミコンで今まで遊んでたんだから、PS5も自力で遊べますよね?みたいな感じ。
同じゲーム機なのだから。
例えが難しいが感覚的にはそんな感じと思わなくもなかった。
まあゲームなら遊べるかもだが、仕事のシステムではそうはいかないだろう。
先輩は良かれと思い、最後そのセリフを残したのだろうが、言ってることが矛盾しているようにも感じた。
いや、やめよう。
悪口を言っているみたいで気分が悪い。
そもそも僕は人の悪口なんか言わないタイプ。
怒ることがほとんどない優しいタイプの人間のはず。
なのになんでこんな感情になるんだろう?
結局何も変わらない毎日
そんなこんなで仕事、家庭、コロナ。
コロナはどんどん猛威を振るうのに自分の生活はコロナ以前のまま。
色々なストレスが知らず知らずのうちにたまり始めていたのがこの時期だった。
この頃から寝つきが悪くなったり、疲れが取れづらくなり始めていたのだが、
当時はそこまで深くは考えていなかった。
のちに9月末に限界を迎えるのだが、医師からの診察結果では発症はうつ病再発はこの頃だったとカルテに記載されていた。
なお、その直後、地獄の毎日出勤が終わり私のテレワークも再開になるのだが…
第6話に続く
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