家に帰宅後、妻に診断結果を伝えた。
その反応は意外なものだった。
妻の反応
妻も最初は驚いたが、
人生は仕事が全てではない。
当たり前のことに今更気づかされた。
私の座右の銘は「人生送りバント」。
つまり己を犠牲にしてチーム、家族を守ること。
そのためならどんな嫌なことだって頑張る。
そういう意識でここまで生きてきた。
以前こんなツイートをしたことがある。
【休職してみて気づいた事】
僕の座右の銘は
「人生送りバント」
野球用語で、要は自分を犠牲にしてチームに尽くすという意味。
僕はリーダータイプではなく裏方タイプ。
だからチームが家族ならそのために嫌な事でも何でもこなして守るが正しいと思ってた
続く#うつ病#パパ育#楽育しよ#らぶ家族— あすはや@2y9m♀うつ病で休職中のパパ (@ttasm4) December 23, 2020
けど本来の送りバントは自分は犠牲にするが、チーム(家族)のチャンスが広がることで喜び、犠牲になった自分も喜ぶもの。
しかし、今私がやっているのはただ家族のために犠牲になっているだけで、家族すらも喜んでいない。
確かに収入に関しては妻の分もあるし、私も傷病手当金という制度をつかえばある程度は保証されることはわかっていた。
それでも迷うことなくこんなことが言える妻に背中を押された。
本当にパートナーに妻を選んでよかったと心から思った。
この言葉のおかげで、休職する、その方向で家庭内では話がまとまった。
この時期は三浦春馬さんや竹内結子さんなど著名人が自ら亡くなるのが多発していた時期でもあった。
理由は人それぞれで同じではないし、背景も各々異なる。
けど我が家で万一のことがあってもならない。
そういう意味でも、休職する、という決断は早めの予防策として間違いではないと思えるようになった。
ただ、次の問題に悩まされた。
会社へはどう伝えるか
ただでさえ、通常よりも業務量が100倍となっていて人手が足りない状況だ。
それを急に、明日から数か月くらい休みます、なんて伝えて大丈夫なのか。
ましてや自分は助っ人の立場ではなく、主担当者の立場の人間だ。
確かにこればかりは妻でもどうにもできない。
自分自身でなんとかするしかないのだ。
妻にはこういわれたものの結局、勇気が出ないまま眠れぬ一夜を過ごした。
同じ眠れないでも今までとは違う理由で…
布団の中で
とにかくいろんな同僚、先輩、上司。
各々の方の「ふざけんなよ!」といわんばかりの顔が思い浮かんできた。
「このくそ忙しいときに逃げてんじゃねーよ!」
そんな言葉ばかりが頭をぐるぐると回った。
もちろん口ではさすがに言われないだろう。
ただ心の中では思われるはずだ。
そう思うと申し訳なさでいっぱいになった。
どうすれば円満にお休みをいただけるのか。
誰に最初に話せば事はうまく運ぶのか。
ありとあらゆるシュミレーションをしてみたものの、どれもしっくりとこない。
共通して絶対しないといけないのは朝一番でいうことだ。
帰り際や夕方以降に言っても今更感が出て印象が悪くなると思ったからだ。
最終的に導いた策は
結局上司には直接は言わないといけないが、まず一番話安くかつ優しい先輩に個別にジャブを打つことから始めることにした。
いきなり上司はさすがに怖すぎる。
もちろん、普段毎日のように指摘をいただいている先輩もだ。
優しい先輩に個別に状況を説明することでまず実際の反応を見てみる。
あくまで予想だが、その先輩なら優しく受け入れてくれる気がした。
その反応をいただければ上司への相談への勇気が一つ得られるだろう。
それに賭けてみることにした。
ちなみにその策を導いた頃には夜は明けていた。
第11話に続く
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